ここだけの話だがスペイン貴族と上杉謙信の血を引く冒険男爵ドンが新生物「メロンピー」と人類の存亡をかけた戦いを繰り広げるシューティングゲームである。
ぶっ飛んだ世界観と濃いキャラばかり出てくるこのゲームははてさて・・・
『冒険男爵ドン サン=ハート編』 ストーリー
南極の巨大なクレパスのなかをどこまでも降りていくとやがて巨大な地下世界が開けてくる。
そこには”サン=ハート”と呼ばれるクリスタルによって輝く太陽が、闇をはらいこの別世界に恵みをもたらしているのである。
ここだけの話だが”メロンピー”という新生物がいる。
いささかマッドな科学者ヘクトール博士の研究所で産声をあげたこの人口生命体は、やがて意思を持ち、常識はずれな増殖を重ねたのち、
多種多様の形態を獲得して人の知らぬ闇に世界中のあらゆるところにはびこった。
もう一つここだけの話だが、ドン・上杉は荻窪在住18才の世界的冒険家である。
彼の行動原理はただ一つ好奇心、これのみである。
さて、地下世界の太陽をコントロールする”サン=ハート”を新生物”メロンピー”が奪い、さらにこの地球を「きちんとしたい」が為に人々を駆逐し始めたのである。
「この暴挙許すまじ!」超科学の産物を満載したスーパーマシンを駆って、血気盛んな冒険男爵は”メロンピー”軍団の真っ只中に頭から突っ込んでいったのである。
どんなゲーム?
スペイン貴族と上杉謙信の血を引くなんだかよくわからないとんでも設定な18才の冒険男爵ドン・上杉が新生物”メロンピー”との激闘を描くシューティングゲーム。
難易度は高くやりごたえは抜群。
仲間や敵もキャラが濃くこの時代には珍しい合間に挟まれるデモシーンは必見の価値あり。
メロンピー軍団紹介
1面中ボス。
そして胴体からは目玉が伸びて伸縮するというおまけ付き。
名前からして最初からぶっちっぎてる。
1面ボス。
ジャンプしたり不規則な動きをしてくる。
ばらまく弾幕に注意。
2面中ボス。
バリアと妖術を駆使する。
バリアが破れると激しく動き回るゾ。
2面ボス。
龍がモチーフのメロンピー。
撃破したかと思うと鳥(鳳凰?)の首が出て来る。
3面中ボス。
目玉と連結する鼻という常人には思いつかないデザインに脱帽。
素敵すぎる。
3面ボス。
1度見たら忘れられないインパクト。
だが何回も見ていると可愛く見えてくる不思議。
4面中ボス。
せまい場所で弾幕と体当たりで攻撃してくるので厄介。
未知の深海生物を見ているような気持になりますね。
4面ボス。
今までが今までだけにデザインがカッコよく見えるの気のせいかしら。
倒したと思ったら本体が体当たりしてくる初見殺しをしてくるので泣かされないよう注意。
5面中ボスその1。
が、攻撃の瞬間本性を表す。
ダメージを受けると中身が見えます。
5面中ボスその2。
上下に現れる敵の追尾弾が厄介。
メロンピーの対決はもうすぐだ!
5面中ボスその3。
とはいえおそろしく強敵。
夢に見そうな(見た)強烈な見た目はあっぱれ。
5面ボスでありラスボス。
耐久力が高いので長期戦になる。
この地獄のような戦いに終止符を打とう。
『冒険男爵ドン サン=ハート編』の魅力
いわゆる「電波」と呼ばれるような作品は数多く存在するが大体が狙って作られたものが多いであろう。
しかし、もしそれが狙わないで、ガチの天然ものであった場合どのようになるのか?
その答えがこの『冒険男爵ドン サン=ハート編』であると自分は思うんですよ。
説明書にはいきなり「地球空洞説は事実なのである」と胡散臭い広告のような事が書かれて不安にさせてくれます。
そして人口生命体メロンピーというド直球過ぎるネーミング。
どこをどうしたらこのようなネーミングにたどりつけるのか。
そのメロンピーのデザインも電波でも受信したかのようなヤバい見た目のものが多く
都庁にまとわりつくマッチョなおっさん、鼻だけの化け物、凶暴性の高いパックマンもどきなどバラエティにとんでいます。
主人公である冒険男爵のドン・上杉がスペイン貴族と上杉謙信の血を引くハーフという普通では思いつかない設定で頭が混乱します。
また仲間のキャラの個性も強烈で濃い面々であるのだがドン・上杉の活躍が凄まじいのでほぼほぼ空気なのがもったいないくらいです。
濃い面子にまぎれてしまって紅一点のかわいいヒロイン・津田沼ゆりこちゃんがさらに空気なのがかわいそう
このわけのわからなさと最初のステージの都心に謎の既視感があると思ったがそれもそのはず。
かの伝説的カルトゲーム「暴れん坊天狗」のグラフィックデザイナーが本作のサブ & アートデザインに関っている為、似たのだと思います。
またノリもよくサイケデリックなカッコいい音楽は「暴れん坊天狗」の音楽を担当した大久保高嶺氏が『冒険男爵ドン サン=ハート編』の音楽も担当しているのでそらBGMがいいはずです。
裏技でサウンドテストがあるので無限に聞いてられます。
一見奇妙なバカゲーと思われるがその実中身はよく作られた硬派なゲームです。
難易度はおそろしく高く一筋縄ではいけないでしょう。
ライフ制ですがダメージを受けるとパワーダウンしてしまうので連鎖的にダメージを受けると立て直しが難しい。
シューティングゲームには珍しく各ステージで自機を乗り換えて戦うのですが見た目が変わっても性能が変わらないのでそれはご愛嬌
(とは言ってもステージクリア毎に使える補助オプションが増えるのでパワーアップと言えばパワーアップだが・・・)
『冒険男爵ドン サン=ハート編』「サン=ハート編」とあるからには続編があるのか!?と思われるかもしれませんが残念ながら今現在で続編となるものは出ていません。
そもそも発売元であるアイマックスがすでに存在しないメーカーなので続編が出る可能性は極めて低いでしょう・・・
深い部分で狂っている、製作者の意図が見えない「純粋な電波ゲーム」として後世に語り継ぎたいそんなゲームが『冒険男爵ドン サン=ハート編』だと筆者は思うのです・・・
プレイするには
配信などはされていないので中古屋などでソフトを購入してPCエンジン本体、もしくはレトロフリークで遊ぶしかありません。
微妙に中古価格が上がっているので気軽にプレイし辛いと思いますが「ムー」を読んだ時のような気持ちを味わいたい方は是非!